2024/02/07 12:05
結城市の結城蔵美館に所蔵されている御手杵をモデルに
玉鋼と彫金で10分の1サイズで制作しました。
今回製作した御手杵のレプリカは、すべて金属で製作しています。
具体的には、槍の「穂」は刀剣製作で用いられる玉鋼を使用し、
「穂先」から下の部分は純銅、赤銅、四分一、銀を使用しています。
なお、赤色、黒色に輝く部分は染料ではなく、金属加工の伝統技法によって着色されています。
槍のサイズは、結城蔵美館に所蔵される御手杵を実際に計測し
10分の1スケールで製作、全長約42センチあります。
製作のきっかけは、令和5年の結城秀康展を観た後、
自分でも何か出来ないかという思いから始まり、
飛鳥時代から続く『伝統彫金』を学んでいることを
活かしたいという思いが相まって企画を起こし、
令和5年12月の完成まで約半年間の月日を費やしました。
企画段階から製作まで『伝統彫金』に携わる方の助言や
多大な協力を得ることが出来たり、
刀匠の方に玉鋼を鍛えていただくことが出来たりと、
日本の伝統技術が詰まった“最高の一本”に仕上がった
と思います。
また、結城の名産である「桐製品」の職人による
特注の桐箱、手織りの「結城紬」を座布団(敷物)に誂えています。
結城秀康に所縁のある御手杵のファンが
自宅で楽しむことが出来るという新しいアプローチで、
日本の伝統技術の素晴らしさを肌で感じてもらい、
こうした作品を生み出す職人の技術や伝統文化を
後世に継承してゆく一助になればと思います。