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2023/06/23 23:23

ご覧いただき、ありがとうございます。
「金しき」店主でございます。
「かなしき」と読んでください。

彫金(※後述)の世界に足を踏み入れて、7年が経ちます(2023年時点)。
幼稚園にして、刀剣の本を読むのが好きだった少年は、彫金師の叔父の自宅兼工房で、
トンカチなどの工具で遊び始めます。

そこから随分と時間が経ちまして、
ふとしたご縁から、彫金の道に足を踏み入れました。
「彫金」は、あまり馴染みのない言葉でして、
それは、飛鳥時代にシルクロードから伝わった金属の装飾技術でありまして
仏具などにも活かされながら、時は室町時代に最も栄え、技術も最高潮にあったようです。
当時は、刀のあらゆるパーツ(目貫、笄、小柄)に独創性を見出した職人と
刀の持ち主の趣向が見事に相まって、それは現代では到底考えられないほど
精緻な作品が作られておりました。
現代のような電気もなければ、拡大鏡もなく、火を扱うにもまったく異なる環境で、
現代では再現が難しいであろう作品が数多く残っています。

これは店主の勝手な想像ですが、
時間も、製作環境も、情報も、現代と比べると圧倒的に “限りがあった” 職人は、
創意工夫に途方もない時間を費やしていたのではないかと考えます。
作品に向き合う時間が限られていたからこそ、
手に入るもので工夫を重ねたからこそ、
圧倒的な美しさが宿ったのではないかと思います。

店主がお世話になる彫金の先生は、室町時代に活躍された流派を継がれており、
それはそれは貴重な教えをいただけております。

「金しき」の作品は、彫金の良さを少しでも日常の中にじわーっと入っていけるような
作品を作っていきたいと考えています。

よろしくお願いいたします。